労働経済学 第7回 情報の役割
1.雇用と経済構造
日本の雇用システムは、昔から存在したのではない。
高度成長期、あるいは1940年体制の議論
なぜ終身雇用・年功序列が成立したのか;
雇用制度は経済制度のサブシステム:戦略的補完性の議論
雇用制度を変える要因、@人口構造の変化、A競争構造の変化、B意識構造の変化
2.人口構造の変化
日本の高齢化の特徴
@高齢人口の急増
4分の1、 2015年に高齢人口の割合が25%になる
2倍速、 高齢化比率7%超を高齢化社会 14%超を高齢社会
日本は1970年に高齢化社会入り、1994年には高齢社会 24年
欧州では50年前後、フランスでは100年以上
昨年までの60代はすべて戦前生まれだが、2015年にはすべて戦後生まれに
A若年人口の激減
20〜29歳人口 2000年には1800万人強、2015年には1300万人弱
3.競争構造の変化
日本の高賃金 主として2002年の時給(円/時間)
日本 |
アメリカ |
ドイツ |
イギリス |
スウェーデン |
カナダ |
2223 |
1825 |
1816 |
1918 |
1606 |
1526 |
国際競争のためには、時給を下げるか、鎖国をするか
→高付加価値戦略しかない
4.意識構造の変化
豊かさのパラドクス:世界一豊かでも、幸せを感じられない
バブル崩壊後の不況期にも自発的失業は増えた
労働時間の短さや職種の固定が必要
NHK放送文化研究所「現代日本人のライフスタイル2004」(2004/12実施3600人)
理想の就職先の条件(複数回答)
@職場の雰囲気がよいこと 48%
A仕事の内容が面白そうであること 40%
B給料が高いこと 37%
C自分の専門性が発揮できること 37%
D知識や技能を身に付けることができること 22%
E会社の業務内容に将来性があること 21%
5.年齢に関係なく活躍できる制度
60歳台前半男性の労働力率 : 日本70%超、米50%台、独20%台、仏10%台
高い就業意識を活かす方法→年功賃金、年功序列の変革
6.高い付加価値作りに適した雇用制度
付加価値競争の時代には誰かが新しいものを生み出さないと回りが食えない
→成果主義は避けられない
@変人をとってしまうリスク
A人材を逃してしまうリスク
7.途中でやり直せる雇用制度
@産業構造の変化(産業別就業者構成比) (%)
|
1次産業 |
2次産業 |
3次産業 |
1970 |
17.4 |
42.1 |
40.4 |
2000 |
5.1 |
37.7 |
56.7 |
A企業の浮沈