労働経済学 第6回 情報の役割
1.情報の不完全性の典型である労働経済
市場均衡の条件:@完全競争とA完全情報
@完全競争
労働者と企業の間で、対等な競争は難しい。
A完全情報
売り手も買い手も情報は十分に手に入れることはできない。
労働者:初任賃金や休日などは分かるが、将来の賃金、本当の勤務実態、社風などは分からない。
企業:学歴や職歴は分かっても、どれだけ本当に働くのかは分からない
2.情報探索コスト
直接コストと機会費用
@直接コスト:労働者が求職中に使う交通費や求人情報誌の購入費用
企業が支払う広告料、能力検定費用、人事部員の人件費
A機会費用:労働者が本来の仕事や学業を放棄するコスト
企業の採用担当者が本来業務を休まなければならないコスト
3.既存情報の活用
情報検索コストの削減の一つとして、大企業志向も既存情報の活用と考えられる
学生から見たよい企業の分布
4.内部労働市場
内部労働市場の活用で、情報検索コストの削減
5.モニタリングコストの削減
ラジアによる年功賃金の説明
後払い賃金が、労働者のモラル低下を防ぐ