労働経済学b 第4回
1. 公平な税制とは何か
(1) 個人・世帯課税の税制の種類
@合算非分割(世帯収入に課税)
A合算分割(2分の2乗:アメリカ、ドイツ、N分のN乗:フランス)
B個人課税(日本、イギリス)
類 型 |
考 え 方 |
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個人単位 |
稼得者個人を課税単位とし、稼得者ごとに税率表を適用する。
(実施国:日本、イギリス。アメリカ、ドイツは選択制) |
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夫婦単位又は世帯単位 |
合算分割 |
均等分割法 |
夫婦を課税単位として、夫婦の所得を合算し均等分割(2分2乗)課税を行う。具体的な課税方式としては、次のとおり
○ 独身者と夫婦に対して同一の税率表を適用する単一税率表制度(実施国:ドイツ) ○ 異なる税率表を適用する複数税率表制度(実施国:アメリカ(夫婦共同申告について夫婦個別申告の所得のブラケットを2倍にしたブラケットの税率表を適用した実質的な2分2乗制度))
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不均等分割法 |
夫婦及び子供(家族)を課税単位とし、世帯員の所得を合算し、不均等分割(n分n乗)課税を行う。
(実施国:フランス(家族除数制度)) |
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合算非分割課税 |
夫婦を課税単位として、夫婦の所得を合算し非分割課税を行う。
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(出所))財務省HP
(2)オルドマンテンプルの三原則
@世帯としての所得が同一ならば、片稼ぎ世帯は、共稼ぎ世帯よりも多く税負担すべき。
←分業の利益、交際費や被服費などのコスト
A共稼ぎ世帯が結婚前の二人と同じ所得ならば、結婚後はより多くの税負担をすべき。
←規模の経済性
B夫婦世帯と単身者世帯が同じ所得ならば、単身者はより多くの税負担をすべき。
←生活費の低さ
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合算非分割 |
合算分割 |
個人課税 |
第一原則 |
− |
− |
○ |
第二原則 |
○ |
× − |
− |
第三原則 |
× |
○ |
○ − |
2.ライフスタイルの経済への影響
シングル化と消費構造(平成15年、家計調査による消費構成)