労働経済学 #3 市場原理がライフスタイルを決めるようになった

 

1.男女雇用均等法(1986)以前の差別的雇用慣行

 そもそも女性は正社員として務め続けることが非常に困難だった

 

2.税制とライフスタイル

(1)税制に関する有識者の批判

 @配偶者控除、配偶者特別控除(2004.1.から原則廃止)

 Aパートタイマー非課税

 B寡婦控除

 C専業主婦の家事労働非課税

 

(2)現行所得税の仕組み(給与所得者)

  所得税=所得税率(別表)×課税所得

  課税所得=給与収入−給与所得控除(別表)−基礎控除38万円−配偶者控除38万円

      −扶養控除38万円−社会保険料控除(支払い全額)−その他の控除

     

所得税率             給与所得控除

課税所得

税率

195万円以下の部分

330万円以下の部分

695万円以下の部分

900万円以下の部分

1800万円以下の部分

4000万円以下の部分

4000万円超の部分

5%

10

20

23

33

40

45

給与収入

控除率

 

180万円以下の部分

350万円以下の部分

660万円以下の部分

1000万円以下の部分

1000万円超の部分

(最低65万円)

   40

   30

   20

   10

   0%

 

 

ライフサイクルモデルによるシミュレーション

(出所)森永卓郎 日経ビジネス人文庫「悪女と紳士の経済学」

 

 ちなみに、配偶者控除、配偶者特別控除をすべて廃止した場合の税額は、所得税2333万円、地方税1230万円、合計3563万円。

 

3.子育てのコスト

   直接教育費   1447万円

   その他の教育費 1486万円(出産費用、理美容費、パーソナル所有品)

   その他の経費   952万円(子供部屋760万円、結婚式支援192万円)

   小計      3885万円

 

   子育て人件費  3996万円

   総計      7881万円

 

 (出所)森永卓郎 講談社現代新書「<非婚>のすすめ」