経済社会学b 第10回 共同購入とモノ作りのコスト

 

1.共同購入とは何か

 @発案者が電子掲示板に自分が作って欲しいモノを示して、賛同者を募る。A共同購入サイトの運営者がメーカーに交渉して、条件を詰める。B価格を示して予約を集める。

 

2.「たのみこむ」(http://www.tanomi.com/)の実績

(1)トランスキット

@「Visor」専用アルミニウムボディー。米国ハンドスプリング社製PDA(小型携帯端末)『Visor(Deluxe)』のボディを特製のアルミニウムボディに変える。アルミボディのデザインは米国のdave design社が担当し、周辺機器の接続も問題が生じないように設計されている。付属品として交換時に使用する精密ドライバー、説明書がセットされる。200個製作で価格は2万9800円。

 

Aメガロポリス専用アルミハンドル。スウェーデンを代表するバッグブランドである「ボブルビー」のメガロポリスは、ABS樹脂製モノコック・ハードシェルを持つ背負い式のバッグ。このバッグを手提げ式で利用できるようにアルミ製のハンドルを製作。サイドブレード側のネジを数箇所外して、付属パーツに付替えるだけで簡単に装着できる。100個製作で、価格は5800

 

(2)タレントグッズ

@清水香里の香り

 映画「ALICE」や、CDA WHITE LILY」等で声優・歌手として活躍する「清水香里」さんが、自ら選りすぐって完成させた香水。ボトルにはデザイン化された清水香里さんのサインがプリントされ、ケースには直筆サイン入りの写真がセットされる。募集100個、3980円。

Aユキの素

 アニメ「おジャ魔女!どれみ#」の妹尾あいこ役で活躍中の松岡由貴のボイスコレクション。収録予定のボイスは、元気な男の子の声から色っぽいお姉さんの声まで、数十種類以上。商品形態はカード型CD-ROMで、ボイスデータはMac(SYSTEM SOUND)Win(.WAV)の両方が収録予定。さらに盤面には由貴さん直筆のうさぎの「わいんちゃん」イラストも。募集100個、3800円。

 

Bナマ藤森みゆきとお食事会

  ガブガールとして活躍中の藤森みゆきさんが、ファンとのお食事会を開催。お店及び食事は、藤森みゆきさん本人がチョイス。彼女が選んだお気に入りのお店で、ファンとテーブルを囲んで語らいのひとときを過ごす夢の3時間。おまけとして、現地で、藤森みゆきの私物オークション開催、撮影会も。限定20名、12000円。

 

(3)イージーオーダー

@オリジナルZIPPO

 「たのみこむ」のなかで5回も商品化されている人気アイテム。アメリカ製のオイルライターで、実用品としても、コレクションの対象としても人気がある。長崎県三川内焼・「鳥獣戯画」仕様は三川内焼の磁器製でシリアルナンバーが手描きで入れられ、桐箱に収められている。100個、10,000円。

 

A蝶野正洋ボイスクロック

 リズム時計の製造しているボイスクロックに、プロレスラー蝶野正洋の怒り声をアラームとして搭載する音声式の目覚まし時計。蝶野正洋の写真が文字盤一杯に広がるデザインは、『ARISTRIST』の監修。さらに、最大のセールスポイント「蝶野氏の怒声」も、「たのみこむ」のサイト内で公募されたもの。200個、6,900円。

(4)少量輸入

@ミスティーメイト

  気化熱を利用して周りの温度を瞬時に16℃にまで冷却する携帯型エアー・クーラー。米国で登場と同時に爆発的ヒットを記録。多数のスポーツ機関で使用されている。ボトルのなかに水や氷を入れ、1520回ポンピングすることによりボトル内の気圧を高め、ノズルから霧状の水を吹き出させ、気化熱で周囲の気温を下げる。製造元: Misty Mate Inc.(アメリカ)、募集人数: 48人、価格(税別): 4,800

 

Aペット植物『この木なんの木』

 日立製作所の企業イメージCMに登場する伝説のの巨木を種から育ててしまおうというのが、この商品だ。件の木はモンキーポッドと呼ばれ、ハワイや熱帯アメリカに分布するマメ科の常緑樹だ。巨木に育つかどうかは別にして、このモンキーポッドの種にポット、培養土、受け皿、土漏れ防ネットをセットにしたものが商品となる。販売元 日光種苗株式会社、価格 1,260 (税込)、ノンリミット受注

 

 

 

2.モノ作りのコスト

 アンチモニー製ミニカーの場合

・金型代150万円

・鋳造・組立等の経費 1台2000

 

500台製造の場合:5000円(小売1万円)

 2000台製造の場合:2750円(小売5500円)

10000台製造の場合:2150円(小売4300円)

 

 

 

 

 

3.販売ルートの分担

                 小ロット

 

 

 

 


       ビッダーズ             ヤフオク

 

 


                 電子モール

 


                       共同購入

実用                               マニア

 

 

 

 


       スーパー・コンビニ         専門ショップ

 

 

 

 

 

 

                 大ロット

 

2010年にブレイクした共同購入クーポンサイト

 

共同購入型クーポンの定義

 @締め切り時刻までに、A予め示された一定数の申し込みがあれば、B購入者は大幅な割引率のクーポンを購入できる。C最低購入数に達しない場合は、全体の取引がキャンセルされる。

 一般の共同購入サイトとの違いは、@クーポンの上限数が決まっており、それ以上の入札は受け付けられない、A募集期間が非常に短く、大抵は1日以内である、B購入数が増えても、価格が下がることは、ほぼない、C基本的に地域限定である、D新商品の創造機能はない、E提供されるのは基本的にエステ、飲食、宿泊などのサービスである。

 

 

2008

 米国GROUPON社が、2008年にネットで割引クーポンを共同購入するビジネスモデルを始める

20104月〜

Piku(日本初)、グルーポン・ジャパン、KAUPON(キラメックス)、GOTi(コーボー・ホールディングス)、ポンパレ(リクルート)、食べログチケット(価格.com)、毎ポン(毎日新聞)、shareee(光通信)

 

WIKIPEDIAによると、「20106月時点では6社参入であったが、201010月時点で100サイトを越えた」。